デジカメでネガフィルムをPCに取り込もう!

LightRoom Classic でネガフィルムをPCに取り込む

ネガフィルムをちょろくデータ化する方法の記事が、ありそうでなかなかないらしいので、 LightRoom Classic での方法を解説します。

フィルムで写真撮るってちょっとかっこよくね?

時代の流れとは恐ろしいもので、今や写真をやるといえばイコール、デジタルカメラのことで、フィルムはすっかり少数派、いや、少数派というより変人にカテゴライズされる世の中です。
それでも10年くらい前までは、まだそれなりにフィルム人も生息していたのですが、REALA ACEが廃盤になり、Ektachrome が製造中止になり、もはやこれまでか、と思われておりましたが、数年前から若い人の間でフィルムブームが起こり、 写ルンですの売上増加やフジのチェキのラインナップ強化などに支えられ、遂にはフィルム滅亡の象徴だった Ektachrome も再販売されるなど、ちょっとだけフィルムが盛り上がっております。やっぱ、アナログにはアナログの良さがあるのです。

ネガフィルムの例

ぶっちゃけフィルムの写真って高くね?

早速であるが、ぶっちゃけフィルムで撮る写真は高い。そもそもフィルムが1本500円~1000円、現像が800円、プリントは1枚30円で1000円ちょっと。トータル2500円~3000円もかかるのだ。
だが、ここから大きく削れる費用がある。プリント代1000円だ。もちろん、現像時にデータ化のオプションを付けてCD-Rに焼いてもらうのもありだが、自宅にちょっとした機材があれば、手持ちのデジカメでフィルムをデータ化することができるのだ。
ある程度の初期費用は必要だが、アナログ時代の「プリント」工程に相当する部分が自分のでできるのだから、なかなか面白い。なにより、フィルムを現像に出す時に玄人っぽく「ネガ純正現のみで」(ネガフィルム、フィルムメーカー純正現像、現像のみプリントなしでお願いします、の意)と言えるのも、ちょっと嬉しいポイントかもしれない。まぁ、私が現像に出すのはいつも同じヨドバシカメラかカメラのキタムラなんで、きっと「また現のみの貧乏人が来たよ」と思われているかもしれません。
ちなみに、クロスプロセス現像をやるときは、誰かに印画紙用の現像液を分けてもらって希釈して自分でフィルム現像をする程度にケチっています。
ナニワカラーキット再販しないかなー。

ネガフィルムの取り込みってどうやんのよ

さて、最近の人、つまり21世紀生まれや20世紀末生まれの人々がフィルムを使い始めて、おそらく最初に思うだろう不満点は、フィルム使いたいけど現像した写真は、データとして管理したい、ではないだろうか。データで管理していれば、好きな時に好きなようにプリントできるし、ネットに置くこともできる。
だが、ちょっとした手間さえ惜しまなければ、データ化自体は難しくない。2-3千円のトレース台のようなもの(古いスマホに白画像を表示させたものでも良い)に現像済みのフィルムを置いて、スマホやデジカメで撮影するだけでOKだ。ただし、ポジフィルムの場合は、である。ネガフィルムは、そうはいかない。
ネガフィルムの場合は、最低以下の3つの画像加工が必要になる。
・ネガポジの反転
・色温度調整
・露出調整
今回はLightRoom Classicで作業を解説するが、上記の加工ができれば、極論スマホだけでも完結できるので、ぜひいろいろな環境で試してほしい。

フィルムをデジカメで取り込む

フィルムを撮影する(フィルムのコピーを作成する)際には、古の時代から伝わる正統派の方法としては、ベローズを使用するが、中古でベローズを探すのもなかなか手間なので、ここでは安いトレース台とコピースタンドを用いる方法を紹介する。
ちなみに、私は当然M42マウントのベローズ・ベローズ用レンズ・スライドコピアを所有しているし、EPSON GT-X970(フィルム野郎御用達の定番スキャナ)も持っているので、本来であればそれらを使うべきなのだが、なにせ準備がめんどくさい。なので、最近は専ら今回の記事の方法で取り込みをしています。

用意するもの
・トレース台(スマホやタブレットに白画像を表示して明るさが変わらないように固定してもOK)
・コピースタンド (おすすめは LPL CSC-10。クランプ式で安いから)
・デジカメ(一眼レフカメラに等倍のマクロがおすすめですが、広めに撮影してトリミングしてもOK)
・黒の色画用紙
・板ゴム(フィルムを押さえられれば何でも)

撮影準備

設定は、マニュアルフォーカス(AFでも良いけどMFの方が一定時の条件で撮影できます)、ISO/シャッタースピード/F値固定で、取り込むフィルムは全部同じ条件で撮影する。また、レリーズスイッチやリモコンがあれば、それらを使用する。なければ、セルフタイマーなどで、シャッターを押したときのブレが出ないようにしよう。
こんな感じでフィルムを押さえて、画用紙で作った遮光フードで周りの光が入らないようにする

1. パーフォレーションの部分を撮影する

パーフォレーションとは、フィルムを送る歯車の噛む穴のこと。
未露光の部分を基準に色を調整するので、必ず1枚パーフォレーションやフィルムの端を撮影しておく

2. 続きをバンバン撮影していく

カメラは同じ設定のままで、フィルムの取り込みたい全コマをどんどん撮影していく

3. ネガの色温度を調整する

スポイトツールでパーフォレーションの穴(白い部分)と穴の間の茶色の部分を選択する。この部分の色のことをベースカラーと呼び、フィルムの色からベースカラーを抜いて、露出を反転、調整することで見慣れた画像になる。
ベースカラーが抜けてグレーになった。全体に茶色が薄くなったことがわかる。また、この工程をスポイトツールを使わずに行う場合は、先に次の工程のネガポジの反転を行ってから、色かぶり補正を0にし、色温度を見ながら調整していくと、手動でもできる。ベースカラーを抜く = 色温度を調整する、と覚えておこう。

トーンカーブを開く
トーンカーブのグラフが、左下から右上に向かっていたものを、左上から右下に向かうようにする。
この時点で、ネガ・ポジが反転している。

ここから露光量とコントラストを調整すると、大まかな画像ができあがる。

コントラストを最大(+100)にし、露光量も画面を見ながら調整する。 LightRoom Classic での作業の場合、露光量はネガポジ反転前の画像に対してなので、プラスにすると画が暗くなる。
再びトーンカーブを開き、グラフの前後の部分を削る

トーンカーブの前後を削ることで、コントラストが上がり、完成に近づく。あとは、感覚的に良い感じになるように色温度を微調整すればOK

4. 現像設定を他の画像に適用する

ライブラリ画面に戻り、現像したパーフォレーションの部分を基準にした画像を右クリックし
[現像設定] – [設定をコピー]をクリックする
ダイアログが開くが、特に変更することはないので、そのまま[コピー]をクリック
コピーした現像設定を、未現像の画像を右クリック [現像設定] – [設定をペースト]で現像設定を適用。ここでは1枚しか選択していないが、Controlキー(Macだとcmdキーかな?)で複数枚選択して複数コマへ一気に現像設定を適用することもできる
現像設定を適用したら、画像を個別に調整しよう。また、ホコリ等が一緒に写り込んでいるので、スポット修正ツールなどで消しておこう。
見栄えがよくなるように色を弄って完成。ちなみに RICOH FF-1 で撮影したものだったと思うけど、どうだったろう。昌平橋から聖橋の方を向いて35mm くらいの画角だと思うので、たぶんFF-1じゃないかね。Rollei 35ではないと思う。写りが甘いから。

本日の機材
カメラ: PENTAX K-1 Mk-II
レンズ: PENTAX smc D-FA 100mm f2.8 macro
コピースタンド: LPL CSC-10 (1.5万円くらい。ヨドバシやamazonとかで買える)
トレース台: amazon で2-3000円のてきとうなやつ
ソフトウェア: LightRoom Classic

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