[Labカラー版] 赤外疑似カラー写真 1 赤外写真とは

10年ほど前くらいでしょうか、赤外線フィルターを用いた写真をPhotoshopで加工して疑似カラー化する技法が流行りました。もちろん、今でもやっている方は多いのですが、解説されている手順が古いので、いまいちわかりにくいウェブサイトが多いので、2019年現在のPhotoshopでの手順を解説します。GIMPでのやりかたは、10年前と大して変わっていないのでググればいいと思うよ。

赤外線写真って何?

IRフィルター(赤外線のみを透過するフィルタ)の写真というと、ラジオライフ(ごめんなさい)とかデータハウスの書籍(本当にごめんなさい悪意はありません)で「女の子のTシャツがスケスケに!」とか書いてある感じのあれを思い浮かべつ人も多いでしょう。が、ああいうのは限られた環境下での話なので、今回はそういうのは出てきません。対象物は「緑の葉っぱ」です。

ここでざっと、赤外写真とは何かを解説します。
赤外写真は、その名の通り、赤外線の光を撮影します。テレビのリモコンのボタンを押しながらデジカメなど携帯のカメラでリモコンの送信部を撮影すると肉眼では見えない光が写つるアレです。監視カメラとかもそうですね。あれは、赤外線のライトを照射して、映像素子で赤外線の反射を撮影しています。

人間が肉眼で見ることのできる光の周波数帯の下限は760nm付近が限界とされていますが、太陽光には、より低い周波数帯の光線も含まれています。今回の赤外線写真では、760nmより高い周波数の光線をカットするフィルターを使い、赤外線領域の風景を撮影しています。

赤外線での風景の特徴は「赤外線を反射するものは明るく」「赤外線を反射しないものは暗く」映ることです。風景では、樹の葉などの植物の緑の部分は明るくなり、空の青、特に青の濃い部分は暗く写ります。これは、空には赤外線を反射するものが少なく、植物の葉は、よく赤外線を反射する性質を持っているためです。このへんの詳しい数字は「クロロフル 赤外線」でググると出てくるので、興味のある人はどうぞ。

撮影

撮影については、特に難しいことはない。amazonでkenkoのIR72フィルターを買ってきてカメラに付け、三脚とレリーズスイッチを使って、ぶれないように10-30秒ほど(日中だよ!)露光するだけ。
ただし、2点注意点があります。

1. 光学ファインダーは使えない
可視光線より長い波長の帯域(赤外線)以外をカットするフィルターを使用するため、肉眼では真っ暗です。なので、プレビューは液晶のプレビュー画面を使用します。液晶のプレビューは映像素子経由で映像が表示されるため、IRフィルタを使用していても表示ができます
2. AFが使えない
こちらは少々光学的な理屈のせいなのですが、赤外線で得られる映像は、可視光線域で結像する位置とは少しずれます。昔のフィルム用のレンズには、フォーカスリングの無限遠から少しずれら所に、赤外線フィルム用の指標が刻んであるものもありましたが、今どきのレンズにはありません。ではどうするか。液晶のプレビューを見ながらMFでフォーカスを合わせます。プレビューを拡大してMFで正確にフォーカスを合わせましょう。

あとは、試し撮りしてハイライトが飛んでいないかなどを気をつけるだけでOK。うまく取れれば、以下のような写真が取れるが撮影できます。これを、Photoshopで加工してゆきます。

PENTAX K-5IIs smc PENTAX-FA 35mm F2 20s f8 ISO100 KENKO IR72
加工前の赤外線写真。撮影はレンズに市販のねじ込み式赤外線フィルターをつけるだけ。露光時間が長いので、三脚は必須
PENTAX K-5IIs smc PENTAX-FA 35mm F2 20s f8 ISO100 KENKO IR72 加工後
PENTAX K-5IIs smc PENTAX-FA 35mm F2 30s f5.6 ISO 100 KENKO IR76

【NEXT】 赤外疑似カラー写真 2 加工編

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