つい先日まで、GRIIで十分だよね、なんて公言していましたが、うっかり買ってしまいましたGR III。年単位で貯めていたポイントが7万円分位あるなーと思って眺めていたらいつの間にか買っていました。まぁ、人生そんなこともあるよね☆
さて、手にしたのは水曜日でしたが、なんやかんやで帰宅時に夜の町並みを撮っただけでPCにすら画像を取り込んでいなかったのですが、さきほど画像を取り込んでみてまず驚いたのが、画質に関しては、きっちりGR IIの上位互換だったこと。
正確には、等倍にすればSR(手ブレ補正)とローパスフィルタレスのおかげでかなりシャープですが、少し縮小すれば、いい意味でGRらしい画になっています。もとの情報量が多いので、現像処理も超楽しい。若干ノイズが乗り気味かな、とも思いますが、そんなものはフィルターや現像処理でどうにかすればいいので、あまり気になりません。総評としては「抜群」と評して良いでしょう。
ただ1点、シャッター半押ししながらの露出補正がしにくい。背面のダイヤルに割り当てたら使いやすくなるかなー。
手に馴染むまでは、もう少し掛かりそうです。
画質や機能についてはそこかしこで語り尽くされているので特に重ねて語るべきことはないのですが、GR III のプロモーションによって、改めて気が付かされたことがあります。それは、写真とは本質的には光を写すものであり、その陰影によって印象が大きく左右されるということ。
GRオフィシャルブログ GR IIIのカタログで伝えたいこと (野口)
古くからの写真好きにとっては、GRというカメラは、そもそも1996年にGR1が発売された時に既に完全なものとして完成されており、あとは好みのフィルムをぶっこんで、28mm単焦点と素早く取り出してさっと「自分で」露出をキメて光景を切り取る道具だったわけです。ズームもなく超絶ハイテクが搭載されているわけでもない。シャープなレンズとシンプルで必要十分な操作で、自ら光を切り取ることができる道具。光と影をシャープなレンズで写し取る。それが、GRであり、GRがデジタル化してからも、その思想が綿々と受け継がれてきているからこそ、現在のGRがあるわけです。
そんなわけで、GRの本質を気軽に楽しむには、やはり夕暮れ時は外せません。むしろ夕方がプライムタイムです。薄暮の時間帯に、西日に照らされた光と影を写すには、GRほど適したカメラはないように思えます。
やっと手ブレ補正がついた、とか、AF追尾がそれなりに使えるとか、カメラ内現像だとかタッチ操作でAFとかあるわけですが、個人的にはGRの使い方(というか一眼レフでもだけど)は、絞り決めてシャッター半押しでAF/AEロックして、露出補正してシャッターを押し込む、という使い方しかしないので、ある意味普段持ち歩いているフィルムのGR1にRICOH FF-1、Netter(持ち歩く鞄に入る数少ない6×6版なんだぜ)、Rollei35Sなんかと、操作も手順も対して変わらなかったりします。
70年前のカメラと現代の最新カメラであんまり使い方が変わらないとか、人としていかがなものかとも思いますが、まぁつまり、道具が変わっても、アウトプットである写真自体に何を望むかはそんなに変わってないということですよね。ベレニス・アボットだって木村伊兵衛だって、今見てもちょうかっこいいじゃん?